飛行前点検作業
JMGCの主力機体であるG109B(JA2343)の飛行前点検です。1日の最初に行います。
グローブG109B・JA2343のチェックリストです。飛行前点検・エンジン始動・空中動作・エマージャンシー・エンジン停止など、重要な動作について細かく記載されています。私達パイロットはこのチェックリストを参照しながら主な動作を行います。
通常、点検前に機体の清掃作業を行います。キャノピーの汚れを丁寧に拭き取ります。さらに翼に付着した鳥の糞や虫の死骸は雑巾で丁寧に取り除きます。小さなゴミでも揚力に影響するからです。また、雑巾掛けにより機体表面の微妙な凹凸を調べることができます。
以降、チェックリストの順に紹介します。
まずメインスイッチが切れていることを確認し点検作業を開始します。
最初に機体全体の目視を行います。
プロペラを確認します。汚れを拭き取り、ブレやクラックがないかチェックします。
エンジンカウルを外し、エンジンを目視点検します。またオイル量の点検、各部品や可動部分のゆるみがないかチェックします。同時にオイル・燃料漏れがないかも点検します。エンジンルーム内の点検はG109B運行規定に従います。
脚まわりを点検ののち、実際の操作系点検を行います。操縦桿を操作し、正しく動作しているか(稈を倒したほうのエルロンがはねあがるかなど)、ひっかかりがないか、操縦系統のチェックを行います。
写真はエアブレーキ(スポイラー)を全開にした状態。
水抜き作業を行います。これは主翼後方より機体の下にもぐりこみ、透明容器にタンクの燃料を少し抜取り水抜きを行います。ここで抜き取った燃料に水が入っていないか、金属サビが入っていないかなどチェックします。
チェックリストによるすべての点検が終われば、暖気運転を行います。
エンジンスタートも必ずチェックリストに従います。燃料ポンプなどを操作したのち、プロペラを手回しし(20〜40回ほど手回しします)、エンジンスターターによりスタートします。油温が50度くらいになるまで暖気運転します。
暖気が終了するとチェックリストに従ってエンジンを止め、一連の始業点検が終了します。
Engine warming-up.
1999.6.27